公開日: 2020.03.11 税金

住宅取得の税制優遇はいつまで続く? 期限をチェックしておこう

執筆者 : 村井英一

マイホームの購入にあたっては、いろいろな“税制優遇”があります。それらをうまく活用すると、かなりの減税になります。
 
ところが、今後はこの税制優遇が次々と打ち切りになる予定です。減税制度がなくなるということは、実質的に“増税”になるということです。マイホームを考えている人は、税制優遇の期限をチェックしておく必要があります。
 
 
村井英一

執筆者:

執筆者:村井英一(むらい えいいち)

国際公認投資アナリスト

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本証券アナリスト検定会員
大手証券会社で法人営業、個人営業、投資相談業務を担当。2004年にファイナンシャル・プランナーとして独立し、相談者の立場にたった顧客本位のコンサルタントを行う。特に、ライフプランニング、資産運用、住宅ローンなどを得意分野とする。近年は、ひきこもりや精神障害者家族の生活設計、高齢者介護の問題などに注力している。

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村井英一

執筆者:

執筆者:村井英一(むらい えいいち)

国際公認投資アナリスト

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本証券アナリスト検定会員
大手証券会社で法人営業、個人営業、投資相談業務を担当。2004年にファイナンシャル・プランナーとして独立し、相談者の立場にたった顧客本位のコンサルタントを行う。特に、ライフプランニング、資産運用、住宅ローンなどを得意分野とする。近年は、ひきこもりや精神障害者家族の生活設計、高齢者介護の問題などに注力している。

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すぐに縮小となる資金援助の税制優遇

マイホームの購入にあたって、親が資金援助をすることは珍しくありません。しかし、たとえ親子でも「お金をあげる」となると、贈与税の対象です。贈与税は税率が高い区分に入る税金で、例えば親から1000万円をもらった場合には177万円の贈与税がかかります。
 
そこで景気対策として、住宅取得のための資金については、一定の金額までは贈与税がかからない優遇制度を設けています。消費税引き上げによる住宅投資の冷え込みを避けるために、非課税の枠もアップされました。ところが、2020年3月末から徐々に枠が縮小され、やがて優遇制度が廃止される予定になっています。
 
新築など、消費税が10%の物件を購入する場合、2020年3月末までであれば、2500万円までは非課税です。4月以降は非課税枠が1000万円までとなり、2021年4月以降は700万円までとなります(規定に沿った優良住宅については、非課税枠がそれぞれ500万円大きくなります)。
 
そして、2021年12月末で制度そのものが終了します。「贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること、または同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること」等が優遇税制適用の条件ですので、早めに準備をしないと制度そのものが使えなくなります。
 
中古物件など消費税がかからない場合については非課税枠が小さく、2020年3月までは700万円、2021年3月までは500万円で、2021年12月までは300万円です(規定に沿った優良住宅については、非課税枠がそれぞれ500万円大きくなります)。やはり2021年12月には非課税の制度が終了する予定です。

長らく続いてきた住宅ローン控除も終了か

住宅ローンを組んでマイホームを購入した人が所得税の減税を受けられる、住宅ローン控除も期限があります。住宅ローン控除は、住宅ローンの年末の残高の1%分を、10年間にわたって所得税の減額をしてくれるという税制優遇です。
 
消費税が10%の物件を購入する場合は、さらに優遇を大きくしています。11~13年目について、消費税増税分の1/3に相当する金額、または住宅ローンの年末の残高の1%分の小さいほうを控除することになっています。2020年の年末までで、消費税引き上げで拡充した11~13年目の優遇措置が終了します。
 
さらに、2021年の年末には制度そのものが終了する予定です。マイホームの購入や建築をして、その住宅に住み始めた時期での期限となっていますので、こちらも決して余裕はありません。
 
住宅ローン控除は、収入が多い人ほど優遇の程度が大きくなるため、収入が少ない人のために「すまい給付金」という制度が用意されています。
 
住宅ローンを組んだ人を対象に、その収入に応じて給付金がもらえるというものです。消費税10%の物件の場合、10~50万円が支給されます。こちらも2021年の12月で終了します。

いよいよ優遇制度は縮小、廃止か

なんだか、どちらもマイホームの購入を急がすようですが、国の狙いもまさにそこにあります。恒久的な制度だといつでも利用できますので、迷っている人の背中を押すことになりません。優遇の期限を設けることで、決断を急がせ、住宅購入につなげようとしているわけです。
 
一方、景気が悪くなると、新たに優遇策を設けたり、優遇の枠を拡大したりする景気拡大策を打ち出してきました。近年は景気が芳しくない状況が続き、さらに消費税の引き上げがありましたので、住宅購入の優遇策が何度も導入されました。
 
住宅取得のための優遇策は、「期限を設けて、徐々に優遇が小さくなる」のと「景気対策として優遇を拡大する」ということが繰り返されてきました。住宅ローン控除など、常に「○年まで」と言いながらも、長きにわたって続いてきました。
 
しかし、今回ばかりは、優遇制度は縮小し、廃止の方向に進みそうな状況です。直近では消費税引き上げによる住宅投資の落ち込みを防ぐという目的で、優遇制度の拡充と延長がされてきましたが、消費税は10%となり、当面は引き上げの予定はありません。
 
景気の状況は、好景気といえるかは微妙なところですが、ひところと比べると回復しており、なによりも建築現場では人手不足が続く状況です。政府の財政状況が厳しいことを考慮すると、税制面での優遇策を続けるのは難しそうです。今年から来年にかけて、優遇策が終了する、つまり実質的な“増税”が続くことが考えられます。
 
ただし、また急に景気が大きく落ち込むことがあれば、また景気対策として、住宅取得のための優遇策が打ち出される可能性はあります。その際にはさらに大きな優遇となるかもしれませんが、こればかりはわかりません。今のところは、マイホームの購入は早めに動いたほうがお得かもしれません。
 
執筆者:村井英一
国際公認投資アナリスト

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