父から相続した「60坪」の土地について、近所の人から「1500万円なら買いたい」と言われました。不動産会社を通さず売っても問題ないのでしょうか?
売主と買主が決まっているなら、「仲介手数料を払うのはもったいない」と感じることもあるでしょう。
個人が自分の土地を売る際、不動産会社を必ず仲介に入れなければならないわけではありません。ただし、不動産は取引金額が大きく、土地の境界や契約条件などを巡ってトラブルになる可能性があります。
特に相続した土地では、売却前に確認すべき点が多いため注意が必要です。
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目次
土地は不動産会社を通さなくても個人間で売買できる
個人が所有している土地を売却する場合、不動産会社による仲介が必須というわけではありません。売主と買主が直接売買契約を結ぶことも可能で、売買後は所有権移転登記などの手続きを行います。
仲介を利用しなければ、不動産会社に支払う仲介手数料を抑えられるのがメリットです。
一方、不動産会社に仲介を依頼すると、物件の調査、条件の調整、契約手続きの支援などを受けられます。国土交通省も、不動産業者が媒介契約によって売主・買主から受託する業務を案内しています。
すでに買主が決まっているからといって、不動産会社の役割がすべて不要になるとは限りません。知人や近所の人との取引では、関係が近いからこそ契約条件を曖昧にしないことが重要です。
1500万円が適正価格か確認してから契約しよう
今回、特に確認したいのは「60坪だから1500万円が高い、安い」と面積だけで判断できない点です。
単純計算すると、60坪を1500万円で売る場合、1坪あたり25万円です。
しかし、土地の価格は所在地、駅までの距離、道路との接し方、土地の形、用途地域、建築できる建物などによって大きく変わります。
近所の人から1500万円を提示されても、その金額が市場価格より高いのか低いのかは、この情報だけでは判断できません。
契約する前に、不動産会社の査定や国土交通省が提供する不動産情報などを参考にして、周辺の取引価格を確認するとよいでしょう。
たとえば査定では2000万円前後の評価が出る土地を1500万円で売れば、仲介手数料を節約できたとしても、結果として受取額が少なくなる可能性があります。
反対に、相場と比較して1500万円が十分納得できる金額なら、個人間売買を検討する余地があります。
個人間売買でも契約書・登記・税金の確認は欠かせない
個人間売買でも、口約束だけで済ませるのは避けましょう。
売買価格、代金の支払時期、土地を引き渡す日、契約解除に関する条件、土地の境界や設備などについて、売買契約書で明確にしておくことが重要です。
書面で作成する不動産売買契約書は、原則として印紙税の課税対象です。また、買主への所有権移転登記も必要になるため、相続登記が済んでいるかも確認しておきましょう。登記手続きに不安がある場合は、司法書士などの専門家に相談する方法があります。
さらに忘れてはいけないのが、売却した後の税金です。
国税庁によると、土地や建物を売却したときの課税譲渡所得は、基本的に売却による収入から取得費や譲渡費用、適用できる特別控除を差し引いて計算します。
相続した土地では、原則として父が取得したときの取得費や所有期間を引き継いで計算するため、購入時の契約書などが残っているか確認しておきましょう。
仲介手数料だけで判断せず安全に取引できる方法を選ぼう
近所の人へ土地を1500万円で売ること自体は可能ですが、「仲介手数料がかからないから個人間売買がお得」と単純には判断できません。
まず、60坪の土地が実際にどの程度の価格で取引されるのか調べましょう。少なくとも相場を把握してから1500万円という提示額を検討することが重要です。
そのうえで、境界や権利関係などに問題がなく、売主と買主の双方が契約内容を十分理解できているなら、個人間で進める選択肢があります。
反対に、土地の境界が分からない、相続登記が済んでいない、権利関係が複雑、契約書の作り方が分からないといった場合は、不動産会社や司法書士などの専門家に相談するとよいでしょう。
不動産会社を利用するかどうかは、仲介手数料の有無だけで決める必要はありません。1500万円という大きな金額が動く取引だからこそ、相場と契約条件を確認し、安全に売買できる方法を選びましょう。
出典
国税庁 No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー