相続した「70坪」の土地に、不動産会社から「月極駐車場なら月8万円ほど見込める」と提案されました。初期費用をかけても収益になるのでしょうか?
仮に70坪の土地で月8万円の賃料収入が得られるなら、年間収入は96万円です。しかし、この96万円がそのまま利益になるわけではありません。駐車場を始めるための工事費や、運営後の費用も考える必要があります。
月8万円の収入を想定した場合、初期費用を回収して収益を得られるのか考えてみましょう。
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目次
月8万円なら年間の賃料収入は96万円になる
すべての区画を契約者に貸すことができ、毎月8万円の賃料収入が続くと仮定すると、年間収入は次のようになります。
8万円×12ヶ月=96万円
5年間なら480万円、10年間なら960万円です。土地をすでに所有している場合、新たに土地を購入する必要がない点はメリットでしょう。
ただし、「月8万円見込める」という数字だけで判断するのは危険です。駐車場は常に満車になるとは限らないためです。
たとえば、8台を月1万円で貸す計画でも、実際に6台しか契約されなければ月収は6万円です。立地や周辺の駐車場需要などによっては、想定より利用者が集まらないこともあります。
不動産会社には「何台分を、1台いくらで貸し、何%程度の稼働率を想定して月8万円になるのか」まで確認しましょう。
70坪すべてをアスファルト舗装すると100万円を超えることもある
駐車場経営では、土地をそのまま貸せるとは限りません。整地や舗装のほか、区画を示すライン、車止め、看板などが必要になる場合があります。
初期費用は土地の状態や工事内容によって大きく変わります。民間事業者が公表している一例では、アスファルト舗装は1坪あたり1万7000~2万円程度、ライン引きは1台あたり1万2000~1万4000円程度、車止めは1個3000~5000円程度が目安とされています。
仮に70坪すべてを1坪1万7000円で舗装するだけでも、
70坪×1万7000円=119万円
となります。さらにラインや車止めなどの費用が必要になる可能性があります。
一方、砂利敷きなどにすれば初期費用を抑えられる場合があります。土地の状況によって必要な工事は異なるため、実際には複数の施工会社から見積もりを取るとよいでしょう。
初期費用だけでなく空車や税金なども考えて判断する
仮に初期費用が150万円で、毎月8万円、年間96万円の収入があったとしても、「2年弱で150万円を回収できる」と単純には判断できません。
駐車場の募集や管理を業者へ任せれば管理費などが発生することがあります。また、設備の修繕費などが必要になる可能性もあります。
税金も考える必要があります。国税庁によると、不動産所得などの所得金額を計算する際は、収入を得るために直接必要となる一定の費用を必要経費にできます。たとえば、業務用の土地にかかる固定資産税や、一定の修繕費などが該当します。
そのため、月8万円という「売上」ではなく、年間の収入から必要な支出を引いた後にいくら残るのかを計算することが重要です。
さらに、土地の立地によっては、売却や別の活用方法のほうが有利になる場合もあります。月極駐車場だけで決めず、ほかの選択肢とも比較しましょう。
月8万円という収入だけでなく「手元に残る金額」で判断しよう
月8万円の駐車場収入が安定して得られれば、年間では96万円になります。すでに土地を所有している人にとって、月極駐車場は土地活用の選択肢の一つです。
ただし、70坪の土地を整備するには100万円を超える初期費用がかかるケースもあります。さらに、空車、管理費、修繕費や税金なども考えなければなりません。
不動産会社から提案を受けたら、月8万円という数字だけを見るのではなく、「想定台数」「1台あたりの賃料」「想定稼働率」「初期費用」「年間経費」を数字で示してもらいましょう。
複数の条件で収支を計算してから判断すれば、「思ったほど利益が残らなかった」という事態を避けやすくなります。
出典
国税庁 No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
