使っていない「80坪」の土地に、不動産会社から「8000万円でアパートを建てませんか」と提案されました。本当に収益につながるのでしょうか?
しかし、仮に建築費が8000万円なら、非常に大きな投資です。満室時の家賃収入だけを見て判断すると、思ったほどお金が残らない可能性もあります。
本記事では、8000万円でアパートを建てる場合に、収益性を判断するポイントを解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
80坪の土地があっても8000万円のアパートが必ず利益を生むとは限らない
土地をすでに所有していれば土地購入費が不要なため、アパート経営を始めやすいと考える人もいるでしょう。しかし、土地があるからといって、8000万円を投じたアパート経営が必ず利益につながるわけではありません。
重要なのは、その場所に十分な賃貸需要があるかどうかです。
たとえば、最寄り駅から近く、単身者が多い地域ならワンルームの需要が期待できるかもしれません。一方、ファミリー世帯が中心の地域で単身者向けの部屋ばかり建てれば、想定した入居率にならない可能性があります。
家賃8万円の部屋を8戸設けたとすると、単純計算では満室時に月64万円、年間768万円の家賃収入になります。
しかし、これはあくまで全室が一年中埋まり、家賃の滞納などもないと仮定した金額です。アパート経営では空室が発生することがあります。将来的に周辺へ新しい賃貸物件が増えれば、入居者を確保するため家賃の見直しが必要になる可能性もあります。
まず「80坪を活用できるか」ではなく、「この場所でどのような賃貸住宅が求められているか」を確認することが大切です。
家賃収入ではなく経費を差し引いた「手残り」で判断する
アパート経営の提案では、「年間家賃収入」や「表面利回り」が示されることがあります。
表面利回りとは、年間の家賃収入を物件価格などで割って算出する、経費を考慮しない収益性の目安です。たとえば建築費8000万円に対して年間768万円の家賃収入なら、単純な表面利回りは9.6%です。
一見すると高い収益が得られそうですが、年間768万円がそのままオーナーの利益になるわけではありません。
実際には管理費、共用部分の電気代、火災保険料、税金、入居者募集に伴う費用、修繕費などがかかります。ローンを利用する場合は元利返済もあります。そのため確認したいのは、「満室なら年間いくら入るか」ではなく、必要な支出を差し引いた後に現金がいくら残るかです。
たとえば家賃収入が年間768万円あっても、さまざまな支出とローン返済で年間600万円が出ていけば、手元に残る金額は168万円です。さらに大規模修繕が必要な年には支出が増えることもあります。
表面上の家賃収入だけでなく、実際の支出を入れた収支表を確認しましょう。
空室・修繕費・金利上昇を含めた収支シミュレーションを確認する
アパートは建てた直後だけでなく、10年、20年と長期間にわたって経営するものです。そのため、現在の条件だけで収支を考えるのは十分ではありません。
特に確認したいのが、空室と修繕です。
建物が古くなるにつれて、外壁や屋根、給排水設備などの修繕が必要になることがあります。室内でも、入居者の退去に伴って設備交換や原状回復が必要になる場合があります。
また、借入金で建築するなら金利にも注意しましょう。変動金利などを利用した場合、将来の金利変動によって返済負担が変わる可能性があります。
不動産会社から収支計画を受け取ったら、「満室」のケースだけを見るのではなく、入居率が下がったケースも出してもらいましょう。家賃を下げた場合や、金利・修繕費が増えた場合のシミュレーションも重要です。
条件を少し厳しくしても返済を続けられるかを見ることで、経営の安全性を判断しやすくなります。
アパート建築は複数の収支プランを比較してから判断しよう
8000万円でアパートを建てれば、毎月安定した収入を得られるとは限りません。家賃収入があっても、空室や管理費、修繕費、税金、ローン返済などによって、実際に手元へ残る金額は変わります。
特に8000万円という規模なら、一社から提示された収支計画だけで契約を決めるのは避けたいところです。
複数の会社に賃料査定や建築プランを依頼し、想定家賃、入居率、建築費、管理費などを比較するとよいでしょう。金融機関にも相談し、借入額や金利、返済期間を確認しておくことが大切です。
また、土地活用はアパートだけではありません。土地の立地によっては、駐車場や貸地、売却などが適している場合もあります。
「土地を使っていないから建てる」のではなく、8000万円を投資しても長期間にわたって無理なく経営できるかを数字で確認しましょう。複数の選択肢を比べれば、所有する土地に合った活用方法を判断しやすくなります。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
