マンションでリバースモーゲージを使う条件は？ マンションも可能な業者も紹介

リバースモーゲージを検討しているものの、「マンション不可」の業者ばかりで困っている、という人は少なくありません。リバースモーゲージは基本的に一戸建てを対象としているため、マンションは条件から外れてしまうことが多いのです。
 
そこでこの記事では、マンションが対象になっているリバースモーゲージ業者、マンションでリバースモーゲージを利用する条件を解説します。自分のマンションがリバースモーゲージできるか知っておきたい、という人はぜひ参考にしてください。
 

リバースモーゲージにはマンションが対象外のものも

リバースモーゲージサービスの多くは一戸建てを対象としており、マンションが対象外となることも少なくありません。リバースモーゲージでマンションが対象外となる理由は、マンションを持っている人が土地を持っていないからです。
 
土地と建物の所有者が別々だと、資産価値の評価がしにくくなる上、建物の劣化により価値が大きく下がる可能性があるのです。
 
しかし、一部の業者ではマンションで使えるリバースモーゲージサービスを提供しています。自分のマンションが条件を満たしているかしっかりと確認してから相談してみましょう。

 

マンションが対象になるリバースモーゲージ業者

マンションは多くのリバースモーゲージサービスで対象外となっていますが、マンションを担保にできるものもあります。マンションが対象となっているリバースモーゲージ業者は、以下の通りです。

●東京スター銀行
●西武信用金庫
●みずほ銀行

利用できる条件については相談が必要なものもありますが、マンションでリバースモーゲージをしたい人はぜひチェックしてください。

 

東京スター銀行

東京スター銀行では、条件が合えばマンションを担保にリバースモーゲージが可能と説明されています。詳しい条件については直接確認が必要ですが、担保物件となるマンションに価値があればリバースモーゲージの相談はできるでしょう。
 
東京スター銀行はリバースモーゲージの国内シェアNo.1の金融機関となっており、選択肢の豊富さが多くのシニア世帯に評価されています。東京スター銀行なら、選ぶサービスの種類にもよりますが受け取るお金の用途制限なし、年収制限なしという条件でリバースモーゲージをすることも可能です。
 
対象となる物件は首都圏、関西圏、その他主要都市となっているため、エリアについて注意が必要です。

 

西武信用金庫

西武信用金庫のリバースモーゲージタイプローンには、マンションが対象となるリバースモーゲージがあります。
 
詳しい条件については相談する必要がありますが、マンション用のリバースモーゲージであっても自宅・土地を担保にする人とほぼ同じ条件でお金を借りることが可能です。西武信用金庫のリバースモーゲージには、以下3つの種類があり、それぞれ条件やサービスの内容が異なります。
 
・リバースモーゲージタイプローン「生きいきライフ」（朝日信託）
・リバースモーゲージタイプローン（スターツ信託型）
・リバースモーゲージタイプローン（ほがらか信託型）
 
現在、マンションを対象にしているのはスターツ信託型、ほがらか信託型となっているので、西武信用金庫に相談した上でどちらのタイプが良いか決めましょう。

 

みずほ銀行

みずほ銀行では、対象の物件が限定されておらずマンションでもリバースモーゲージが可能なケースがあります。契約時の年齢は満55歳以上とされており、上限もはっきりと決まっていないので、他の金融機関で条件に外れてしまった人でも申し込みやすいでしょう。
 
詳しい条件については、3つのポイントに分けて以下で解説しています。マンションを担保にしてリバースモーゲージをしたい人はぜひ読んでみてください。

 

マンションでリバースモーゲージできる条件

マンションが対象となっているリバースモーゲージサービスであっても、担保にできるマンションには厳しい条件があります。そのため、条件次第ではリバースモーゲージが利用できない可能性もあるでしょう。ここからは、以下の通りみずほ銀行を例にリバースモーゲージできるマンションの条件を解説していきます。
 

●築年数が浅い
●専有面積が広い
●評価額が高い

 
自分のマンションの状態を含め、条件を1つずつ確認していきましょう。

 

築年数が浅い

築年数が浅い物件は、10年後、20年後も資産価値があると考えられるので対象となる可能性があります。みずほ銀行の場合、申込者の年齢が100歳の時点で築45年以下、と明確に条件を決めています。
 
申し込み時点で60歳の場合、ほぼ新築でなければ難しい条件ですが、最近マンションを買ったという人は検討できるでしょう。

 

専有面積が広い

マンションの専有面積も、資産価値に関わる部分なので条件があります。みずほ銀行の場合、専有面積が50平方メートル以上のマンションしか対象となりません。
 
しかし、ファミリー向けのマンションであれば50平方メートルを超えているものがほとんどなので、ワンルームでなければ条件を満たす可能性が高いでしょう。

 

評価額が高い

マンションの資産価値は、評価額で考えることができます。将来もある程度の値段で売却できるマンションを確保するため、みずほ銀行の場合は1坪当たり250万円以上かつ総額5000万円以上という条件を出しています。
 
金融機関によって評価額の条件は変わりますが、評価額が高めのマンションでなければリバースモーゲージの利用は難しいかもしれません。

 

リバースモーゲージの条件に当てはまらないときの対処法

マンションのリバースモーゲージは可能ですが、条件が厳しいため「自分のマンションでは使えなかった」と悩む人は多いでしょう。リバースモーゲージができなかったときの対処法は、以下の通りです。

●国や地方自治体のリバースモーゲージを使う
●リースバックをする
●家を売却する

自分に合った方法で、家を活用していきましょう。

 

国や地方自治体のリバースモーゲージを使う

リバースモーゲージには、行政が行っているものもあります。自治体が行うリバースモーゲージは生活が苦しいシニア世帯のためのものですが、条件を満たしていれば利用できるので生活資金が必要な人におすすめです。
 
ただし、行政のリバースモーゲージは民間以上に制限が厳しいこともあり、マンションを原則NGとしている自治体も多いです。そのため、マンションに住んでいる場合制度を利用できる可能性は低いでしょう。
 
しかし、生活に困っているようであれば他の制度を紹介してくれる場合もあります。気になる人は一度相談してみましょう。

 

リースバックをする

リースバックとは、家を売却したあと賃貸契約を結び同じ家に住み続けられる制度です。家の所有権は無くなってしまいますが、思い入れのある家にそのまま住むことができるので環境を変えたくない人に向いているでしょう。
 
リースバックは幅広い人が使えるサービスとなっているので、マンションが対象となっているものがほとんどです。また、年齢制限やもらったお金の用途制限もないので、自由度はリバースモーゲージと比べかなり高いといえるでしょう。
 
引っ越しはしたくないけれどまとまったお金が必要、という人は検討してみてください。

 

家を売却する

リースバックには審査があるので、状況によってはマンション可の業者であっても利用できない可能性があります。リースバックの利用が難しい場合、家を売却してまとまったお金を手に入れるのがおすすめです。
 
家を売却すれば、家は他の人のものとなり住むことはできなくなります。しかし、条件の良くないマンションであっても買い手さえ見つかれば売却してお金を得ることは可能なので、他に手段がない場合は検討してみましょう。

 

マンションでのリバースモーゲージはできるが難しい

マンションでも利用できるリバースモーゲージはありますが、条件が厳しいものも少なくありません。マンション可と書いてあるサービスであれば相談は可能ですが、最終的にリバースモーゲージができるとは限らないでしょう。
 
そのため、マンションにお住まいの人は、リバースモーゲージできる業者を探しつつ、リースバックも検討するのがおすすめです。リースバックであればマンション可の業者がぐっと多くなるので、まずは気になる業者に相談をしてみてください。

 
［出典］
株式会社東京スター銀行「マンションでも利用できますか？」

株式会社みずほ銀行「リバースモーゲージローン『みずほプライムエイジ』の商品内容」
株式会社センチュリー21・ジャパン「センチュリー21のリースバックってなに？」
株式会社 ハウスドゥ「ハウス・リースバックご利用の前に」
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部