ハウス・リースバックとは? メリット・デメリットやよくあるトラブルを解説
配信日: 2023.08.22
本記事では、「ハウス・リースバック」ついて、利用するメリットやデメリット、よくあるトラブルを詳しく解説します。自分の大切な家を手放さずに現金化する方法としてハウス・リースバックを検討している人は参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
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リースバックとは?
リースバックとは不動産取引の一種であり、自宅不動産を売却して現金を得た後、引き続きその自宅に住みながら毎月賃料を支払う方法です。近年高齢者世帯を中心に、建て替え資金の確保などの目的でリースバックを活用するケースが増えています。
しかし、消費者が契約内容や将来の収支計画について不十分な理解で契約を締結したことにより、トラブルも多い状況にありました。
このため、国土交通省では「消費者向けリースバックガイドブック策定に係る検討会」を設立し、2021年12月に消費者のためのリースバックの適切な活用方法や留意点などをまとめたガイドブックを作成しました。
リースバックを活用する場合は、国土交通省のガイドラインに則した業者である株式会社And Doホールディングスによる「ハウス・リースバック」などを選ぶことをおすすめします。
ハウス・リースバックは上場企業が運営しているリースバックのサービス
「ハウス・リースバック」とは、上場企業である株式会社And Doホールディングスが運営するリースバックサービスです。このサービスは、顧客が所有する住宅を直接買い取るため、住宅ローンの残債があっても利用できます。
また、所有する住宅を売却して資金を確保しながら、今までと同じように住み続けられる点が最大のメリットです。将来的には、再度購入することも可能です。
ハウス・リースバックを利用することで、所有する不動産を売却して現金に換えなければならない場合でも、今までと同じ環境で生活を維持でき、老後の生活設計にも役立ちます。
ただし、再度購入する際には別途条件があり、各種諸費用が必要です。また、ローンの残高によっては取扱いできない場合もあるため、まずは相談してみることをおすすめします。
ハウス・リースバックを選ぶメリット
ハウス・リースバックは、一度に大きな現金を手に入れたいけれども、自宅を手放したくない人々にとって非常に魅力的です。
本項では、リースバックのサービスとして「ハウス・リースバック」を選ぶメリットを解説します。
住み慣れた自宅に住み続けられる
自宅不動産を売却して人の手に渡ってしまうと、通常なら住み続けられません。「ハウス・リースバック」を利用すると、不動産を売却してまとまったお金を手に入れつつ、住み慣れた自宅に住み続けられます。新しい住居を探したり引っ越したりする手間やストレスを回避できるため、心理的な負担が少ないです。
高齢者や病気の人など、住まいを移すことに対して不安を持っている人にとっては、特に心強いサービスだと言えます。住環境を変えずにまとまったお金を手に入れられることが、ハウス・リースバックを活用するメリットです。
固定資産税などの所有コストがかからない
土地や建物といった不動産を所有すると、固定資産税などの維持費用がかかります。日本では不動産の固定資産税を負担するのは、原則として所有者です。
しかし、ハウス・リースバックを利用することで、これらの費用を負担する必要がなくなります。リースバック契約の場合、不動産の所有権はリースバック会社に移転するため、所有者としての義務や責任も移転します。
つまり、固定資産税などの所有コストを負担するのは、ハウス・リースバックの運営会社であるAnd Doホールディングスです。このように、ハウス・リースバックを利用すると不動産を所有することでかかるコストを抑えられるため、他の目的に回せるお金が増えるメリットがあります。
借金をせずに現金調達できる
通常、自宅不動産を手放さずにまとまったお金を確保するためには、お金を借りなければなりません。しかし、とくに高齢者の場合、不動産という資産を持っていても、ローンの審査に通過しにくい傾向にあります。
ハウス・リースバックを利用することで、住み慣れた自宅を手放さずに現金調達が可能です。自宅を売却して借り直すため、一時的な現金調達ができます。条件が合えば再度自宅を購入することも可能です。
新たに借金をする必要がなく、金融機関などからの融資に頼らなくても済むため、利息や手数料なども発生しません。例えば、ローンの一括返済や事業資金の調達も可能です。定期的な返済や利子の支払いに追われることもなく、現金調達のために自宅を手放す必要もないので負担が軽減されます。
保証人が不要である
一般的に、自宅を売却して新居を探す場合、入居時に必要な費用や保証人が必要となります。
ハウス・リースバックを利用すると自宅に住み続けることとなるため、賃貸住宅を借りる際のような保証人を必要としません。身寄りがない場合には保証人を見つけられないという問題も回避できます。ハウス・リースバックは、このような手間や負担を回避する理想的な選択肢です。
上場企業が運営している
ハウス・リースバックは、And Doホールディングスが運営するサービスです。同社は東京証券取引所プライム市場に上場しています。上場企業が運営するサービスであることは、信頼性が高いということです。運営方針や取り組みについての情報も公開され、透明性の高い運営が期待できます。
リースバック業者を選ぶ際に、信頼できる企業であることは重要な指標です。上場企業が運営している点は、信頼性の担保という点でメリットが大きいでしょう。
全国の不動産が対象である
リースバックは、自宅の不動産を売却して資産価値を現金化する方法です。しかし、リースバックの業者を探すのは容易なことではありません。特に、自分が住んでいる地域に詳しくない業者には、信頼して任せられれないでしょう。
しかし、ハウス・リースバックなら、オープン準備中の店舗を含めると全国に682店舗を展開しており(2023年2月時点)、全国の不動産が対象となっています。住んでいる地域を選ばず、対応してくれるのがメリットです。リースバックを検討していても、住んでいる地域で信頼できる業者がなかなか見つからない場合は、ハウス・リースバックを検討してみてください。
買い戻しが可能である
ハウス・リースバックを利用するメリットとして、将来的に自分の家を買い戻せるという点があります。買い戻し価格には定められた利率などに基づく追加料金が含まれますが、追加費用を支払うことで再び自宅を所有できます。
このように、ハウス・リースバックは、現在の資金調達のニーズに応えつつ、将来の自宅の所有権に関する柔軟性を有しています。ただし、買い戻しには条件がありますので、契約前によく確認して納得した上で契約しましょう。
年齢制限がない
ハウス・リースバックは、年齢制限がなく、高齢者でも利用できる点が大きなメリットです。一般的に不動産を担保に借金をする場合、年齢や健康状態によっては借入可能額が低くなってしまうことがあります。
しかし、ハウス・リースバックでは、不動産会社が賃貸契約を結び、家賃収入を得ることで利益を得ているため、年齢や健康状態などの個人的な要因は関係ありません。
また、ハウス・リースバックでは、80歳以上の高齢者について、身内の同席立会などの方針を明確にしています。判断力が劣った高齢者に無理やり契約させるようなことは考えにくく、信頼性が高いと言えるでしょう。
ハウス・リースバックで契約する前に押さえておくべきデメリット
ハウス・リースバックを利用するメリットは多岐にわたります。まとまった資金を用意する必要がある人の中には利用を検討する人も多いかもしれません。
しかし、いくつか確認しておきたいデメリットもあります。あらかじめ確認しておきましょう。本項では、ハウス・リースバックを契約する前に押さえておくべきデメリットを解説します。
家賃を支払う必要がある
ハウス・リースバックでリースバック契約をすると、自宅を売却する代わりに家賃を支払うことで引き続き自宅に住めます。このような契約は、住まいを手放したくないけれど資金が必要な場合や、将来的に住まいを買い戻す予定がある場合に適しています。
家賃は通常、売却代金の一部を充当することができますが、将来的に住宅を買い戻す可能性がある場合は、その金額が減るため注意が必要です。
通常の売却価格より安い
ハウス・リースバックなどのリースバック契約で自宅を売却する場合、通常の売却価格よりも安い価格で売却されることが多いです。一般的には市場価格の7割前後となります。運営会社が物件を購入した後は自由に売買できないため、長期間にわたって不動産価格の下落リスクを負うことになるためです。
また、入居者が物件を手放した時に、業者は物件をリフォームして再販することがあります。このリフォーム代を差し引くという意味でも、通常の売却価格よりも安い価格となっています。
賃貸期間が制限されていることがある
ハウス・リースバックは、契約内容によって賃貸期間が制限される場合があります。例えば、2年などの期間を決めて契約するプランもあれば、期間の制限なく住み続けられるプランもあります。
プランによって内容や条件は異なりますので、住み続けられる期間については注意が必要です。将来的に自宅に戻るつもりがある場合は、契約内容をよく確認してから契約してください。
現金化することで将来の子や孫の相続税の負担が大きくなる場合がある
ハウス・リースバック契約をすると、自宅を現金化することになります。そのため、将来的に相続税の負担が大きくなる可能性が高いです。一般的には、不動産が取引される時価と相続税がかかる基準となる評価額には大きな差があり、評価額のほうが低い傾向にあります。
ハウス・リースバック契約で自宅を現金化すると、相続税にかかる費用は残った現金に応じて決まります。金額にもよりますが、高額な現金化によって相続人の負担が増える可能性があります。そのため、専門家に相談することが望ましいです。
諸費用の負担が大きい
ハウス・リースバック契約には、思いのほか多くの諸費用がかかることがあります。例えば、売買契約において発生する登録免許税や事務手数料、譲渡益に対する所得税などが挙げられます。
また、賃貸借契約では、敷金や礼金、火災保険料や事務手数料がかかることがあります。退去する場合には、クリーニング費用や修繕費用なども負担する必要があるかもしれません。契約前に、これらの費用が発生するかどうかを確認しておくことが大切です。
自宅を自由に改変できない
ハウス・リースバック契約をすると、自宅の所有権は運営会社であるAnd Doホールディングスに移ります。そのため、契約後は自宅を自由に改変することができません。
例えば、壁を壊して部屋を広くする、手すりを設置するなどの改装やリフォームは、自分だけの意思で決めることができず、所有者の許可が必要です。自宅での生活スタイルにこだわりがある場合は、契約前に確認してください。
よくあるリースバックのトラブル事例
ハウス・リースバックでの契約では、自宅に住みながらまとまったお金を確保できるメリットがあります。
不動産を賃貸借すると同時に、将来的にはその不動産を買い戻すこともできるという契約になっているものが多いですが、リースバック契約にはさまざまなトラブルが発生することがあるため注意しましょう。本項では、リースバック契約でよくあるトラブル事例をご紹介します。
契約解除時に追加費用がかかる
リースバック契約を解除する際に、追加費用が発生することがあります。主な費用は修繕費や清掃費などの原状回復費用です。
一般的に、リースバック契約では原状回復費用を負担する必要がない場合が多いですが、契約書によって異なります。契約書に「原状回復費は退去者が負担する」という内容が明記されている場合、退去時に負担しなければなりません。
また、原状回復費用の負担については、契約書によって具体的な金額や支払い方法が記載されている場合があります。解除前には契約書をよく読み、解除時にかかる費用について事前に確認しておくことが大切です。
家賃を上げられてしまう
リースバック契約で普通借家契約を結んだ場合、基本的には賃借人の合意なく家賃の値上げはできません。賃貸借契約の更新タイミングで家賃の値上げを要求されることはよくありますが、合意しなければ基本的に値上げできません。
一方、定期借家権を結んだ場合は、基本的に契約更新は行われません。住み続ける場合は、新たな条件で賃貸借契約を結び直します。更新タイミングで家賃の値上げを要求されることもあるのです。提示された家賃を支払えない場合は、泣く泣く引っ越すことも考えられます。
買い戻し金額が高い
リースバック契約において、将来的に不動産を買い戻す際、買い戻す金額は購入価格より高くなるのが一般的です。売却価格の1.1〜1.3倍が相場で、購入した価格より高額になってしまいます。
買い戻し際の価格をリースバックの契約時に定める場合は、契約期間内に定められた金額を支払うことで買い戻し可能です。リースバック契約中の家賃の負担も考慮すると決して負担が少ないとは言えませんので、よく考えて契約しましょう。
修繕費の負担が生じる
一般的な賃貸借契約においては、設備の故障などが原因で発生した修繕費は、故意・過失でなければ貸主が負担するのが一般的です。
しかし、リースバック契約においては、契約内容によっては借主が修繕費用を負担しなければならない場合があります。自宅を売却した後も住み続けていると、貸主が不具合を発見するのが難しいためです。
リースバック契約を締結する前に、契約内容をよく確認し、修繕費用の負担がどちらにあるのかを明確に理解しておくことが大切です。
家賃を払えなくなる
リースバック契約で得た資金の使い道は自由です。事業資金に充てることもできます。
しかし、リースバックで手に入れたお金を全て事業に投資したのに、資金繰りが悪化すると、家賃を滞納せざるを得ない状況になることもあるでしょう。その結果、最終的には退去を余儀なくされることも考えられます。
ただし、家賃が払えなくなってすぐに強制的に退去させられることはありません。一定期間経過後に退去が求められる場合があります。賃貸借契約書には、家賃の滞納における退去の期間が明記されていますので、内容を確認してください。
事業者が倒産してしまう
リースバック契約をしている事業者が倒産した場合、契約解除や買い戻し金額の減額など、さまざまな問題が生じる可能性があります。
この場合は、契約書に明記された条項に基づき、新しい所有者と話し合いをする必要があります。あわせて、契約前にリースバック会社の経営状況や評判に関して、調べておくことも大切です。
ハウス・リースバックのように上場している会社が運営しているサービスであれば、経営状況が開示されており、公開していない企業に比べると信頼性は高いです。
再契約を断られる
リースバックで自宅を売却した場合、数年単位で「定期借家契約」を結ぶことがあります。契約時に再契約可能と口約束していたにもかかわらず、契約満了時に再契約を断られてしまうと住み続けることができなくなってしまいます。
リースバックのサービスを提供している会社には、借主を退去させて早期に転売したいと考えているところもあります。定期借家契約は賃貸借契約と違って、貸主に正当な事由がなくても再契約を拒否することができます。それが起こってしまうと、借主は退去しなければなりません。
こうしたトラブルを避けるためには、過去の取引実績や契約内容をよく確認し、納得できる会社とリースバックの契約を結ぶことが重要です。
条件に合わず買い戻しできない
リースバックの契約条件次第では、一度売却した自宅を買い戻せることもありますが、買い戻せる条件や買い戻し価格によっては買い戻せない可能性もあります。 契約時に買い戻せる条件や買戻し価格を確認していなかったからです。
買い戻しは「当然の権利」ではありません。一度家を買った事業者が、 条件次第で「もう一度自分に家を売る」という約束です。買い戻しを希望するのであれば、「いつまでに」「いくらで買い戻せるのか」などを確認し、本当に買い戻せそうか契約前に検討してください。
また、契約書に具体的な条件が記載されているかも必ず確認しましょう。
リースバック契約を検討する際に注意すべきポイント
リースバック契約は、事業やリフォームのための資金調達の手段のひとつとして、高齢者や個人事業者など、多くの人に利用されています。
しかし、契約内容や手数料などによっては、トラブルになる場合があるため、注意が必要です。本項では、リースバック契約を検討する際に注意すべきポイントを紹介します。
契約内容や手数料などをよく確認する
リースバック契約を締結する前には、契約内容や手数料などをよく確認することが重要です。
例えば、契約内容によっては、契約の結び直しや家の買い戻しができない場合もあります。特に、買い戻し金額や家賃など、支払い額の詳細については、明確に確認しておく必要があります。まずは各社のホームページを調べて比較し、見積もりを依頼しましょう。
また、契約書に記載されていない内容については、契約前に質問したり、アドバイスを求めたりして、不明な点を解決しておくことが大切です。契約を結んでから後悔しないよう、あらかじめ契約内容についてよく理解してから契約に臨みましょう。
運用実績や信頼性で判断する
リースバックは売却後に賃貸借契約を結ぶため、リースバック会社と長期的な契約関係を維持することになります。利用する場合は、ハウス・リースバックなどの大手企業がおすすめです。
さらに、過去の運用実績や評判も確認しましょう。上場企業であれば、実績を公式サイトに公開しているため、それを確認できます。また、ネット上の評判も確認することができます。契約をするかどうかの判断材料として、契約前に過去の運用実績や信頼性をよく確認しましょう。
他の資金調達方法と比較検討する
リースバックは物件を素早く現金化できますが、売却価格が通常の売買契約による売却と比べて安くなりがちです。契約を検討する際には、他の資金調達方法と比較検討してみてください。
例えばリースバックではなく一般的な不動産売却の手続きを踏み、他の賃貸物件に転居する場合に必要な初期費用や引越し代・手間などを検討し、リースバックと比較した上で、リースバックにメリットがあるか検討してみてください。
契約期間をよく検討して契約する
リースバックのプランによって異なりますが、リースバック契約には契約期間が設定されていることがほとんどです。一般的には、契約期間は2年程度に制限される場合が多くなっており、リースバックで売却して一時的に資金を手に入れても、同じように住み続けられる期間が限られる可能性も考慮してください。
また、契約期間中に解約できない場合もありますので、よく確認して慎重に契約してください。契約前には、契約期間をよく確認し、できる限り自分の希望に沿った内容で契約するようにしましょう。
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リースバック業者を探しているなら上場企業が運営しているハウス・リースバックを検討してみよう
リースバック契約を検討する際には、契約内容や運用実績、デメリットにも目を向け、慎重に判断することが重要です。ハウス・リースバックは、上場企業であるAnd Doホールディングスが運営するリースバックのサービスであり、透明性と信頼性が高く、一定の実績があることが特徴です。
リースバック契約を行うメリットとしては、資産の処分や現金化が可能であり、固定資産税などの負担もなくなることが挙げられます。ただし、買い戻し金額が高額になることや、リフォームなどに制限があることにも注意が必要です。
リースバック契約を検討する際には、慎重に比較検討し、信頼性の高い上場企業が運営するハウス・リースバックも一つの選択肢として検討してみると良いでしょう。
出典
国土交通省 「住宅のリースバックに関するガイドブック」 を公表しました
総務省 固定資産税
国土交通省 住宅のリースバックに関するガイドブック
国税庁 No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)
E-gov 借地借家法第三十二条借賃増減請求権、第三十八条定期建物賃貸借
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー