更新日: 2020.12.25 リースバック
リースバックの注意点とは?トラブルを避けてリスクを押さえよう
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
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CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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リースバックとは、家を売却してまとまったお金を得た後も同じ家に住み続けられる契約です。住む環境を変えたくない人にとっては大きなメリットのある契約ですが、本当にデメリットはないのか不安に感じる人もいるでしょう。
そこでこの記事では、リースバック契約の注意点と、契約時に確認しておくべきことについて解説していきます。リースバック契約でのトラブルを防ぎ、大切な暮らしを守りましょう。
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リースバックとは?
リースバックとは、家を売却した後、賃貸契約を結び同じ家に住み続けるという契約のことです。家を売却した後、住み続けるには毎月家賃を支払う必要がありますが、売却後も暮らしが変わらないのは大きなメリットでしょう。
昨今は、老後の資金確保のためリースバックを選択する人も増えています。今の家に住みながら、家を売却してまとまったお金を得るならリースバックがおすすめです。
リースバックで起きがちなトラブル
リースバック契約には多くのメリットがあるため、まとまったお金が欲しいという理由で選ぶ人は今後も増えていくでしょう。
しかし、リースバック契約には思わぬトラブルも存在しています。リースバック契約で起きがちなトラブルは、以下の通りです。
- ★家を勝手に売却された
- ★家賃が値上げされた
- ★退去を要求された
- ★なかなか家を買い戻せない
- ★家の売却価格が安い
契約を結んだ後、「思っていたのと違った!」と後悔しないよう、しっかり事前に確認してください。
家を勝手に売却された
リースバック契約では、第三者への売却禁止の内容で合意していない限り、賃貸契約をしている途中で持ち主が変わる可能性があります。
そのため、将来買い戻しをしようと考えていたものの、いつの間にか第三者に売却され、契約の内容が変わっていたというトラブルが起きてしまいます。
場合によっては、契約時に「第三者に売却しない」という内容で合意していたにも関わらず、家を売られてしまうケースもあります。こうした悪質な場合は不動産業者と話し合うほか、士業専門家に相談しましょう。
家賃が値上げされた
家の買い手から家賃の値上げを提案され、交渉がうまく行かずそのまま家賃が上がってしまうというトラブルは少なくありません。
リースバック契約で住み始めた家は、周辺の相場より高い家賃が設定されることが多いです。そのため、さらなる値上げに応じてしまうと、毎月の出費が大きくなり買い戻しができる日はますます遠ざかってしまうでしょう。
家賃の値上げをしない、と約束することも可能ですが、契約更新の際に家賃の値上げを提案され断れなくなることも少なくありません。
退去を要求された
今までと同じ家に住んでいるため、家が他人のものになったという感覚が薄く、家賃の支払いをおろそかにしてしまう人は少なくありません。
リースバックで賃貸契約を結んだ家は、すでに他人のものとなっています。そのため、毎月の家賃が払えなければ、事情があってもそのまま退去となります。
また、買い主と定期借家契約を結んでいる場合、期限が来れば強制的に退去となります。長く家に住みたい場合は、賃貸契約の更新が可能なリースバックを選びましょう。
なかなか家を買い戻せない
将来、売却した家を買い戻そうと考えていたものの、買い戻しの費用負担が大きく買い戻せないというケースもあります。
買い戻しの金額は、家を売った額より高くなることが多いです。そのため、いざ買い戻しをしようとすると想像以上にお金がかかり、買い戻しを断念するというトラブルがたくさんあります。
買い戻しの額については、契約時にしっかりと確認しておく必要があるでしょう。
家の売却価格が安い
リースバック契約で売却した家の価格は、周辺の相場より低くなります。そのため、まとまったお金を得ようとしたものの、思ったより価格がつかず生活資金が十分に得られないというトラブルがあるでしょう。
ただ単に家を売却するだけなら、リースバックを使わず通常の売買を行うほうが金額面ではお得かもしれません。しかし、リースバックでは同じ家に住めるというメリットがあるので、事前にお金とリースバックのメリットを比較した上で検討する必要があるでしょう。
リースバック契約の注意点とは
リースバック契約には、さまざまなトラブルが考えられます。トラブルを防ぐには、リースバック契約の注意点を事前に把握して、リスクに備えることが重要になるでしょう。
ここからは、リースバック契約の注意点を解説していきます。
注意点
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・必ずしも契約ができる訳ではない
・家賃が高く生活が苦しくなることもある
・期限付きの契約もある
注意点を踏まえたうえで、リースバック契約は慎重に結びましょう。
■必ずしも契約ができる訳ではない
金融機関による審査ほど厳密なものではありませんが、リースバックには不動産業者独自の審査があります。
家賃が支払える、と判断されれば審査に通る可能性はありますが、不動産ごとに審査の基準は違うので審査落ちしてリースバックを断られることもあります。そのため、必ずしもリースバックができるということではないのです。
また、家の買い手がみつからなければ契約ができません。家の価値が著しく低い場合は、査定を受けた時点でリースバックできる可能性があるのか不動産業者に聞いてみる必要があるでしょう。
■家賃が高く生活が苦しくなることもある
リースバック契約では、家賃が相場より高く生活が苦しくなる可能性もあります。これまで、持ち家に住んでいたという人であれば家賃の支払いについて考えたことは少ないかもしれません。
しかし、リースバック契約を結んだ後は、毎月周辺相場より高い家賃を負担することになります。お金に困ってリースバックを検討している人は、本当に今後家賃が支払えるのか慎重に考える必要があるでしょう。
■期限付きの契約もある
定期借家契約では、住める時期に期限があり更新がないことから、毎月しっかり家賃を支払っていても時期が来れば退去せざるを得ません。
もし、長い間家に住みたい場合や、将来買い戻しを検討している人は、定期借家契約を避けることが大切でしょう。
リースバック契約で確認すべきこと
リースバック契約でのトラブルを防ぎ、理想のリースバックを実現するには納得のいく売買契約を結ぶことが大切です。
リースバック契約を結ぶ際、契約に関しては以下のようになっています。
- ★売買価格はいくらか
- ★賃貸契約はどうなっているか
- ★買い戻し価格はいくらか
- ★買い戻しの条件は何か
- ★家が途中で売られる可能性はあるのか
これからも同じ家に住み続けるため、一つひとつ確認していきましょう。
売買価格はいくらか
リースバック契約での家の売却価格は、相場より安いことが多く値段に不満を感じる人は少なくありません。後で「あまり高い価格で売れなかった」と後悔しないよう、契約時には家の売却価格に納得できるか考えておきましょう。
リースバックで売却する家の大まかな値段は、不動産業者による査定で事前にある程度分かります。査定結果に納得できない場合、別の業者にも査定をお願いして少しでも高い価格で売却をしましょう。
賃貸契約はどうなっているか
リースバック契約では、期限付きの定期借家契約になっていると家賃を支払っていても期限が来れば他居となります。そのため、何年も同じ家に住みたいという場合は、定期借家契約になっていないか確認をしてください。
また、通常の賃貸契約でも今後定期借家契約になる可能性はあるのか聞いておくと良いでしょう。望まないタイミングで退去とならないよう、最大いつまで住めるのか、その期間を不動産業者に聞いてみてください。
買い戻し価格はいくらか
家の買い戻しを検討している人は、買い戻し価格がいくらになるのか事前に決めておくと安心です。買い戻しができる、という口約束だけでは、将来不動産業者が高いお金でしか買い戻しに応じない可能性もあります。
高額な買取額を支払わなくて済むよう、買い戻しの額は契約時に話し合って明記しておきましょう。
買い戻しの条件は何か
リースバックにおける買い戻しには、遅延なく賃料を支払うこと、退去をしないこと、など条件がある可能性もあります。もし、買い戻しができるお金が貯まっていても、条件を満たせず買い戻せなくなれば家族にも影響が出てしまいます。
確実に買い戻しをするため、買い戻しの条件は一つひとつ確認しておきましょう。また、守るのが難しい条件があれば、契約の段階で不動産業者と話し合っておくのがベストです。これからの暮らしを想像しながら、納得できる条件で合意しましょう。
家が途中で売られる可能性はあるのか
リースバック契約では、第三者に家が売られる可能性もあります。もし第三者に家が売られてしまった場合、勝手に家賃が変わったり、いつの間にか賃貸契約に期限がついていたりする可能性もあるので、第三者には売らないと事前に約束をしておきましょう。
ただし、悪質な不動産業者だと約束をしたにも関わらず第三者に家を売ることもあります。いつでも契約内容が確認できるよう、書面で第三者への売却を禁じる旨を書いてもらいましょう。
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リースバックの注意点に気をつけて検討しよう
リースバック契約なら、家を売却したあともそのまま同じ家に住むことが可能です。しかし、リースバックには家賃や賃貸契約を結ぶ期間など、注意すべき点もあります。
リースバック契約にはメリットもたくさんありますが、契約の内容を曖昧にしていると不動産業者や買い手とトラブルになる可能性も少なくありません。
注意点やトラブル事例を事前にしっかりと知ったうえで、リースバックが必要か検討していきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員